ただ最近「iPod+iTunes」の環境固有の問題もちょっとはあるかな、と思ったのでこれについて少し書いてみます。
自分が普段感じてるのは次の3点。
1.iTunesのエンコーディングは(音源にもよるが)圧縮時の高周波歪みが目立って聞こえるように思う。同じMP3ファイルを再生してもiTunesで再生する時の方が高周波歪みからくる”痛い倍音成分”が目立つ気がする。 2.iPodのD/Aコンバーターは「無慈悲な程のHiFiさ」(その辺りが”音楽的では無い”と言われたりするゆえんだろうなあと)がある。 3.1+2の条件に加え最近の「ドンシャリ傾向のヘッドフォン(iPod純正のものに限らない。)」で再生する事によってますます「耳に良くない音」として再生されるiTunes+mac本体で”ヘッドフォン聴き”する際自分はMOTU828というオーディオインターフェイスから小さなミキサーを介してAKG K270というスタジオモニター用ヘッドフォン(”スタジオモニター用”なので周波数特性は伸びてますが決してドンシャリという事は無い、むしろオーソドックスな音)の組み合わせが多いです。iTunes側の設定はEQオフでエンハンサーは入れたり入れなかったりというセッティングです。 MP3にしろAACにしろ圧縮時に特に高次倍音の部分の情報量を減らしてデータ圧縮を行なうのですが、その際曲の中の「高い周波数の成分」が歪み強調されて、結果例えばピアノの高いキーの音が”耳に「痛い」音”になってしまう場合があるのですが、iTunesで再生した場合他のプレイヤーソフト(比較対象はQuickTimeでもなんでもいいのですが)よりこの”痛い音”の成分がより目立って聞こえてくるように感じます。・・・エンハンサーoffだとだいぶ解消されますが、それでもこうした傾向は残るように思います。iTunesでエンコードをしてないMP3ファイルを再生する時でもQuickTime等とは違う傾向ですね。 それに、2.の「無慈悲な程HiFiなiPodのD/Aコンバーター」(音楽的に適当に「丸めたり中域を豊かにしたりとかの色付けが無い」というニュアンス)と3.の「最近のドンシャリ気味のヘッドフォン(”DJ仕様”のものとか高性能なインナーイヤーフォンとか)」という環境が揃うと更に「耳に悪い音」が強調される環境が揃ってしまう結果になっているんじゃないかと思います。 自分もiPod以外のシリコンプレーヤーは買った事がないので他との比較という事ではよく分からないけれど、上記したような事は折々につけ(CDの原音と比べたりとか)よく感じる事です。 「iPod+iTunes」は良く「音が悪い・音楽的で無い」事がよく指摘されますが、それも”圧縮時の高周波の処理”とかハード/ソフトの再生特性を改善することでよくなっていくように思うのだけれど、appleは果たしてそうした事をやっていく気はあるのかなあ? ”ヘッドフォン難聴”問題は確かに昔からあったけれど、最近の製品はより低音/高音の特性が良くなり更に「圧縮フォーマットの高周波歪み」が加わってより難聴になり易い視聴環境になってきている、という事は言える気がします。勿論これはiPodに限った問題では無く全てのシリコンオーディオプレイヤーに言えることだけど、エンコーディングソフトからイヤーフォンまで揃っているiPod+iTunesはその分攻撃されやすい対象だとも言えますね。 ・・・話は変わるがそう言えば先日「セサミストリート」で昔作られたパートの中に激しい明滅がある部分を気付かず無編集で放映してしまい気持ちの悪くなった児童が何人か出た、という騒ぎがあって、そのニュースを聞いた時は「あんなの子供の頃平気で見てたけどなぁ」と思ったけれどよく考えると今は「より大画面で輝度も高い」モニター環境で見てるから感覚中枢に与える刺激の強さも全然違うんだよなあ、と書いていて気付いた次第です。
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