「08年まで日本国内頒布禁止」と記載された正規版だ。18元(256円)。8?10元で買える海賊版の2倍だが、「音質が信頼でき、訳詞も正確だから」と話す。 (中略)日本のレコード各社はもともと中国での発売に消極的だった。海賊版が広く出回っているうえ、採算に合わないためだ。日本と同じ3000円前後では高すぎてとても売れないが、現地価格に近づけて値を下げると、日本に逆輸入される懸念があった。それが05年1月の改正著作権法施行で、海外販売用の正規版CDを販売目的で日本に持ち込むことが違法となった。
CD輸入権問題まっさかりだった04年中盤頃も最も積極的に取り上げていた朝日の”輸入権その後”の記事。きっと当時の担当が”続編”を、という事で書かれた記事なのでしょう。
で、こんな記事も世に出る程度には”邦楽”正規版も定着し始めた訳で、良かったねレコード協会さん「輸入権」創設した成果が上がり始めましたね、と言ってあげたい気もするが、心中なかなか複雑なものがあるのでそう簡単にはそうした事を言う気には、ならない。
(かと言って、「輸入権創設後もアジア市場売上げ大して伸びてないじゃないか!」→「故に輸入権は有効ではない、即座に廃止すべき」と主張する気にもならない ・・・「音楽は文化であるから」云々と片方で主張しつつ、もう片方では「売上げが伸びないから」とかのビジネスライクな理由を持ち出したりするのはまるで今の日本の音楽業界の振舞い方と一緒やん、と思うので。)
「BRICsマーケットへの進出」による持続的発展、というのを現在あらゆる産業分野で青地図として抱いていると思う。その青地図を実現する前に必要な「自国マーケットの保護」の為に著作権法のように個人の人格権にまで関わるような法を持ち出さなければならない不幸がコンテンツ業界にはあるのだと思う。自動車業界と同じ様に中国市場に進出しようと思ってもその為には”著作権という障壁”を立てる必要がどうしてもあったのだ。
とここまで書いてきて、CD輸入権の問題も、例えばGoogleが中国向けの検索サービスにおいての「検閲」問題とパラレルで考えるべき問題のひとつだよな、と思った次第です。
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