Hotwired から、ちょい前の記事ですが2つ程興味深い記事があったのでエントリー起こします。
1件目
リアル過ぎる『Xbox 360』用ゲームと「不気味の谷」現象
この記事内で「不気味の谷」と名付けられている現象はゲームの3Dキャラクターに限った話ではなく、「現実をシュミレーション」する行為全てに当てはまる事だと思う。
”現実のシュミレーション”は、ある段階までは「現実世界の知覚」を想起補填する事でリアリティを増していくが、ある段階を超えると「”シュミレーションされた世界”に対しての現実世界との違和感」が際立ち始める特異点つうかキャズムが存在するという事。制作畑の人なら体感している事だと思うけど、でもこうして人体工学的な実証データが用意されると『ああ、やはりな』と納得せざるを得ない。
ちなみに人間の空間認識というのは『身体感覚』が大きなファクターになっている。(手の届く距離とか)。3DCGがこれ以上リアルになる事を目指すのだったらこの記事中に出てくる”人肌の物理的特性”の再現というレベルではなくトータルにVRを実現する事、なのだろうけど実現してしまったらしまったでそれは恐ろしい気はします。
2件目
日本のアニメーターは、どれほど貧しいか
「動画(inbetweener)は、「最初の6ヶ月」は時給なら23.089ドル、週給なら「5日で40時間」で923.56ドル、「ベテラン」で時給24.674ドル、週給で986.96ドルとなっている。」 時給なので出来高払いと比較はできないが、ハリウッドでは動画の新人の時給約2500円で、日本の組合の要望額、月額124,960円を割ると50時間となり、アメリカでの週給がほとんど日本の月給となっている。(中略)アニメーターの労働時間は1日平均10.2時間、月間労働時間は推計250時間で、平均年収は100万円未満が26.8%、100万円以上200万円未満が19.6%、200万円以上300万円未満が18.6%である。動画マンは出来高払いが8割で、1枚あたりの報酬は平均186.9円、年収は100万円未満が73.7%である。 この報告書は、芸能花伝舎にある芸団協芸能文化振興部で購入できる「コンテンツ産業輸出」を勢い良く唱えるのはいいんだけどね。 ”コンテンツ輸出”で最も期待がかかると見られる「ジャパニメーション」を支える中核であるアニメーターが『500人しかいない』(恐らく既に香港や台湾の外注に置き換わっている)のも驚きだが、ハリウッドとの比較で『アメリカでの週給がほとんど日本の月給となる』というのも、正直ここまで差がついてしまっているのか、という事が恥ずかしくすら感じる。 丸山茂雄氏の、ソフトコンテンツとひとくくりにして ひと山いくらかでまとめて取引されている気がしませんか? 私は昨今のこんな風潮を 「面白くねーな」 と思っております。そしてそんな風潮を作っているのは 世間ではなく 実は私を含む業界の人達なのです。これが問題なのです。って発言に激しく同意する人がどんどん出てくるような状況にならないと、今に”物を0から産み出す仕事”なんて誰もやらなくなるよ。だって既にあるものを右から左へ動かせばペイが発生するような、そんな仕事の方がずっと楽チンだろうからね。
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