東京近郊、静かな街の一軒家。中国へ留学するアベチャン(小池栄子)の留守宅を預かることになったヨーコ(榎本加奈子)と、古田(西島秀俊)の家を出て転がり込んできたスズ(藤田陽子)。幼なじみとはいえ、あまり仲のよくないふたりだが、なんとか一緒に住み始める。ふたり暮しもようやく落ち着いてきた頃、ヨーコがひそかに想いを寄せている三鷹(忍成修吾)とスズが急接近! 内心穏やかでないヨーコとそんなことにはお構いなしのスズ。ふたりの距離は微妙に近づいたり離れたり……。
"田舎としての東京の小さい家"で起こるevergreenで緩やかな時間への郷愁、を感じる人にはささやかに輝く珠玉の小品と言えそう。
撮影時の逸話の
猫がいるはずなのに35mm版『犬猫』では実は撮影初日に猫が逃げてしまい、撮影が終わるまで見つけることができませんでした。私の後ろでいつも飼い主で記録の佐野久仁子が号泣していました。それでも撮影がつづきます。「猫が帰って来なかったらこの映画は80%負けが決まったようなもんだ」と鈴木昭彦カメラマンが言っていましたが私もそう思っていました。しかし役者の撮影がアップした後、猫は前出の鈴木氏が猫の餌皿をお箸でタタキながら探してくれて無事見つかり、編集の真っ最中に猫の場面を撮り足しました。良かった。
って話が、なんか凄くいい。いい話。
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