往年の(80年代中頃の)を知るファン達からは最近の”坂本教授”はあまり評判は良くない(「枯れた」とかそういう意見が多い)ようだけれど、自分はこのアルバムは結構ちゃんと評価してあげたい、と思う。
本人もインタビュー等で「やっと一人前のソロアーティストになれた」と語るように、教授の持つ音楽的エッセンスが自然なバランスで配された、佳曲が揃った(1.3.5.7.12.14など)静かな作品集だと思う。
ジョビンファミリーとの交流で、”ピアノの響かせ方”が深化しているのも聞き逃せないし、またM14のように明らかにFusionアーティスト的な美しいインスト曲(一聴するとクラシック的だが)をソロに収録する事も今までにはなかった事だ。
インナージャケットとCD盤面の飛び散る石のCGが、「9.11」以降確実に変わったであろう作家の意思を象徴しているのは間違いない
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