この4年程英文オンリーのデザインを大半手掛けていた事もあって、その間に出た新しい日本語フォントの情報に疎くなっていたのに今更気付き、今色々とチェックしています。
90年代後半に一気にDTP化が推し進められた結果、写植時代の豊富な「日本語書体」が使えなくなり、和文書体に関してはとても貧困な状態が続いていたのですが、ここ数年で大分状況が変わってきたようです。
もともと明治時代からの活字書体設計の歴史の積み重ねの中で産まれてきた豊かな「日本語書体の資産」が、DTP制作環境にも引き継がれ始めて使用できる環境になりつつあります。
DTP化の最大のメリットは「省力化・省時間化」なのですが、皮肉な事に一番最後までDTPへの移行を拒んでいたのは(もっとも省力化・省時間化が必要なはずの)出版・雑誌の世界でした。 『字面』・・書体から受ける”書物の表情”も『本』の重要な要素である事をとても大事にしていたから、というのがその理由です。
一時の”1バイトフォントブーム”も沈静化しつつある中で、ようやく書体設計家の方々の地道な努力が「書体の充実」という形で実りつつあるように思います。
あとは、それを活かすデザイナーのウデ次第、なんですけどね・・・(汗)
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