犬話の続き。
最近は野良犬を見なくなった。ほとんど見かける事がない。自分が住んでいる郊外の街だとまずいない。 いずれ「野良犬」という言葉さえ死語になってしまうのではないかと思える位だ。
昨日の捨犬のニュースにしても、多くの人は”飼い主の癖に犬を平気で捨てるなんてなんて無責任で可哀想な事をするんだ!”という意見の方が多いのだろう。 しかし飼主の心情として「保健所に持っていって処分される位なら・・・」と考える事は(例えそこに短絡的な部分があるにしろ)とてもよく分かる心情である。
もっとも、今は「野良犬」自体いないのだから『捨てられていた犬を拾ってきて飼う』という事もしなくなっているのかも知れないが。
子供の頃は町の中のそこかしこにいて、吠えられたり追いかけられたり時には噛まれたりよくしたものだった。 町のある場所にかならずいてかならず吠える犬がいて、子供同士でどうやって吠えられずに「縄張り」を通過するか工夫しあったりもした。(例えば枝を投げて犬の注意をそらす、とかそんな他愛のないことだが。)
野良犬ではないが、公園で散歩中の大型の猟犬に吠えかけられた事があった。その時飼い主は”人間の子供に吠えかかってはいけない”事を厳しく躾けるために、犬の上に馬乗りになって頭を押さえつけ厳しく叱っていた。(そこまで厳しくやらないと気性の激しい猟犬を躾けるのは難しいのだろう。) そんな諸々を経験しながら、犬という動物とのつきあい方を学習していったように思う。
野良犬が「いる事すら許されない」ようになってきている今の「都市」は、実はとても不自然な状態なのではないか、そんな事をふと考える。
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